<できる課長の言葉><できる課長の言葉>「課長の時間術」田中和彦著 日本実業出版社より ■本などからの引用 ○私の意見 ■漢字の「判る、解る、分る」の中には、いずれも「刀(かたな、りっとう)」が 入っています。わかるためには、「刀」で切り分けていくことが必要だという ことかもしれません。 ○分類することは、わかるようになるための第一歩ですね。 ■順位づけのわかりやすい手法に、「時間軸」と「空間軸」で検証する方法 があります。 「時間軸」は、「一日放置したらどうなるか?」「3日なら」「1週間なら」という ふうに、直線的に時間を延ばしてみて影響を予測します。 「空間軸」は、影響の及ぶ範囲を「どんな人たち、何人くらいに影響が及ぶ か?」と空間的な広がりでとらえて、予測するのです。 ○軸はいろいろあっていいと思いますが、大切なことはぶれないことです。 ■スケジューリングは、最小単位を15分で刻んで、会議や来客のアポイント などは45分間を基本的な枠と考えるのです。 ○時間捻出のためには固定観念を捨てることが効果的です。隙間時間や 移動時間も無駄にしないようにしたいものです。 ■絶対に部下に負けてならないものがあります。「覚悟と情熱と志」です。 そして、その「覚悟と情熱と志」を最もわかりやすい具体的な形で表現でき るのが、「毎日、部下の誰よりも朝早く出社し続ける」というものです。 ○私は上記だけは、どこの職場に異動しても実践しています。今は、概ね 始業の2時間前には出社しています。自分がそれを実践していないと、遅刻 寸前で飛び込んでくる部下に、「建物の中に時間内に入るのは始業時間を 守ることにはならない」と言えません。 ■「すぐすれば、すぐすむ」という格言がありますが、朝の60分は、この言葉 通りに片っ端からやっていきます。この作業が、1日のリズムを作ってくれます。 ○有言即行、Here & Now(ここで今)の精神ですね。後でと思ったことはまず やらないし、後でやろうとすると、その時すぐやるより何倍もの労力を要します。 ■「すぐすれば、すぐすむ」方式で、読んだその場で書類を処理していけば、 何度も読む必要はありません。「書類は読んだときに処理する」という鉄則を 自分に課したのです。 言葉を換えれば、「今すぐに手をつけるつもりがなければ、そもそも書類は 読まない」と決めることです。 メールの返信も同じです。「メールは読んだときに返信する」を原則にして、 「今すぐ返信しないのなら、何度も読み返さない」ことです。 ○メールについては、直ぐに返信できない人は、難しく考えるからです。対応 に悩むものであっても、「メールありがとうございます。追ってお返事します」 という返信なら直ぐに返せるはずです。 ■あれもこれも覚えておかなくては・・・、という状態では、人の集中力は高まり ません。忘れるべきことはすべて忘れられるからこそ、一つのことにエネルギー を傾けられるのです。 ○「あれかもこれも」ではなく、「あれかこれか」ということで、選択と集中で重要 なことに注力するには、それ以外のことを思い切って捨てることです。 ■ボールペンやサインペンも複数の色を揃えておくと、メモするときに、単色の 場合に比べ、意外なほど発想が広がります。私の友人のコンサルタントは4色 ボールペンが必須のアイテムで、青をメモ書きなどの基本の色に使い、提出 書類などは常識的な黒、強調するのは赤、感じたことや疑問が緑、というふうに 使い分けていました。 ○ちょっとした工夫の積み重ねが知識、知恵の蓄積につながります。そしてそ れは人まねでない、自分だけのスタイルでいいのです。 ■一枚の紙にまとめられないような企画は、相手を説得するだけの内容に仕 上がっていない可能性があります。練られた企画というものは、ほとんどの場 合、ひと言で語れるような内容になっているものなのです。 ○決定権を持つトップになるほど多忙ですから、A41枚のペーパーより多くの 資料をつけても読まれることはないと思います。 ■納期を徹底させる前に、まずはスタートを切る着手日を確認する必要があり ます。つまり、「いつまでにやるのか?」の前に、「いつからやり始めるのか?」 を取り決めるのです。 ○物を動かす場合、動く直前に最大静止摩擦力がかかるように、人間の行動 についても始めるまでが一番労力と時間がかかりますね。 ■人に与えられた時間は、誰に対しても平等に1日24時間です。増やすことは 不可能です。しかし、時間の「量」は変えられなくても、時間の「質」は変えること ができます。 ○「一日24時間」ということと「命が一つ」ということは全ての人間に平等ですが、 それをどう活かすかで差が出ます。 ■「人間が生きている間に、一番数多く交わしてして約束とは何でしょうか?」 それこそが、じつは「時間を守る」ことなのです。 ○カルロス・ゴーンが称えた日本人のデッドラインの美学という締め切りの厳守 ですが、実際には時間を守らない人もいます。それが自分ひとりの都合であれ ばとやかく言う必要はありませんが、会議の時間を守らないことになればその 会議の他の出席者の時間も奪うことになるのです。 ■私は、朝の「おはよう」と帰りの「お疲れさま」の挨拶は、できる限り、部下一人 ひとりと顔を合わせながらするように心がけています。 ○What do you say,after hello!朝の「おはようございます」の後、一人ひとりに パーソナルな言葉をかけることでコミュニケーションが深まります。 ■そもそも「ワーク」と「ライフ」は対立する概念ではありません。「ワーク」は「ラ イフ」の中にあり、大きな位置を占めるものです。最近では、「ワークライフマネ ジメント」という言葉を使い、「ワークもライフもあわせて、自分の人生をマネジ ンメトしていくことが重要だ」と主張する人がいますが、その通りだと思います。 ○「ワーク」と「ライフ」をうまく組み合わせ、相互に補完するようにすることで、 相乗効果が発揮できます。 ■エレベーターに乗っている程度の短い時間に、自分の言いたいことを相手に 簡潔に伝え、しかも相手の心を動かすことができるようなコミュニケーションスキ ルを「エレベータートーク」と呼ぶのです。 ○実際にはエレベーターで移動する階数や他に人が乗っているかどうかなどの 条件はあるでしょうが、そういう場面でいかに端的にポイントを話せるかは、普段 の訓練によります。 ■私の好きな言葉に、イチロー選手の「小さいことを重ねることが、とんでもない ところに行くただ一つの道」というものがあります。 ○どんな分野でも超一流になるには、近道も王道もマジックもなく、日々の努力 の積み重ねしかありません。 ■私は毎週、朝日新聞の土曜版「be」に、『はたらく気持ち』という連載コラムを 書いています。 ○2011年10月8日の同欄で「出過ぎた杭になった公務員」というタイトルで、私 も取り上げていただきました。匿名でしたが、読んだ方にはわかるようで何人 かの方から反響がありました。 ■「未来の自分」のために、何かを始めようと思ったら、何かをやめることです。 ○政策とは取捨選択の結果であるように、望む未来の実現にも選択と集中が 不可欠です。 |